ごく普通の家庭で育ったぼくがなぜ引きこもりになってしまったのか

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今日はぼくがどんな家庭環境で育ち、引きこもりになったのかをお話しする。最初はぼくの家族と家庭について。そのあと普通に育ったぼくがなぜ病んだのかについて書く。

ウチの家族はみんな温厚

ぼくん家はごく普通の家庭だ。家は一軒家だけど築50年以上。阪神大震災を乗り越えた家だから大分とガタがきている。

ウチの家族は全員温厚だ。家族で揉め事や喧嘩しているところなど一度も見たことない。そこだけはちょっと普通じゃないかもしれない。

うちは最近4人家族になった。一緒に暮らしていたじいちゃんが亡くなったのだ。享年95歳。じいちゃんの信条は「質素」だった。だから働いてるときからお金を貯めていて、そのお金でぼくの学費を援助してくれた。もちろんお金に替えられないたくさんのことを教えてくれた。じいちゃんには感謝してもしきれない。

ばあちゃんも一緒に住んでいる。ばあちゃんも結構な歳だがまだまだ現役で家事をこなしている。趣味は映画を観ること。ぼくの映画好きはばあちゃん譲りだ。

両親も一緒に住んでいる。父は会社員。技術職で、平均的な収入かその少し下くらいだと思う。父は家族の中でも1番温厚。ぼくが小さい時から怒ったところを見たのは一度だけ。しかも夜ぼくが階段をドンドン上がってしまって、寝起きで「夜なんだから音に気を付けなさい」と言われたくらいのものだ。基本的に家ではいつもTVを見ているか寝ているかのどちらか。

母は主婦だ。マメで色んな知識があるしとても字が綺麗。整理整頓も上手い。うちは母がいなければ完全に成り立たない感じだ。ただ母は典型的な「貧乏脳」。とにかく「人より得をすること」、「お金を稼ぐこと」、「借金をすること」を嫌う。端的に言うと「安定」が好き

ごく普通の家庭で育ったぼく

ぼくはこんな感じの家庭環境で育った。家族全員大好きだし、尊敬している。高いおもちゃとかは買ってもらえなかったけど、必要なものはちゃんと与えてもらえたし、基本的にぼくのやりたいようにやらせてもらえた。世間では悲惨な家庭環境で育ちあまり不幸でない境遇にある人などが、テレビで紹介されていたりする。僕自身はそういった環境とは無縁で、ごく普通もしくは少し恵まれた「温室」で育った。

こんな風にごく普通に育ったぼくは25歳のときから1年間と少しの期間引きこもりになった。 

時期的にいうと、大学院を修了してから5ヶ月間建築設計事務所でアルバイトして辞め、そのあと徐々に家から出られなくなった。とにかく病んだ。病院にも掛かった。

なぜぼくは体調を崩してしまったのか。もちろんこれが原因というたった1つのことなどない。ぼくが25年間積み重ねてきた様々なことがぼくを引きこもりにした。それでも1つ、これが1番大きな原因かな、と思うものがある。

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他人に気を使いすぎていた

ぼくは基本的に人に嫌われたくない。これは今でも変わらない。だから僕自身、人の悪口を極力言わないないように努めたし、何か愚痴をこぼすこともほとんどしてこなかった。これは小学生の低学年のときから意識していたこと。

この努力はぼくが中学生になるときくらいまではとてもうまく働いた。愚痴を漏らさないことで「敵」を作ることは少なかったし、友人関係は良好だった。

でも、高校生になったあたりから「他人に気を使いすぎることのデメリット」が表面化しだした。どういう事かというと、ストレスが溜まり始めたのだ。普通に日常生活を送っていると誰だってイラッとすることはあると思う。誰かから嫌味を言われとき、むちゃな仕事を振られたとき、誰かの嫌な行動を見たとき。ぼくはこういうときに溜まる「ストレス」をうまく発散できなかったのだ。

理由は簡単。だれにも相談したり愚痴をこぼさないから。母親や親友、恋人にもあまり本音というか弱みを見せることができなかった。

そして25年間貯金し続けたストレスはある日、ぼくの中にあるバケツから溢れてべちゃっと床にこぼれた。こぼれたときに周りの物もたくさん汚してしまった。汚してしまったことへの申し訳なさと、自分への失望感からぼくは病んだ。そして1年間ちょっと家から出られなくなった。地獄だった。

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