【書評】自分のアタマで考えよう ちきりん(著)

Vol.1
自分のアタマで考えよう
ちきりん(著)

 

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情報が溢れている現代社会において、もはや質の高い情報を得ただけではなんの価値もないのかもしれない。大切なことは仕入れた情報をいかに料理するかだ。

社会派ブロガーとして名を馳せるちきりんさん。彼女の著書は世の中の様々な情報・データ・オピニオンを根本的なWHYから問い直し、自分のフィルターを通して考えなおすことの価値を教えてくれる。

ちきりんさんが”自分のアタマで考える”とき、頻繁に登場するのが分解という作業だ。どういうことか。ここでは「歴史に名を残すリーダー」というテーマが例として挙げられている。偉大なリーダーを”分解”してみるとこうなるかもしれない。

たとえば、「歴史に名前が残るほど大きく世の中を変えるリーダーのもつ条件」はなんでしょう?

まず出てくるのは「能力」ですよね。けれど私たちは「能力」しかない人をリーダーとは呼びません。そういう人は「アタマのいい人」とか、ときには「ガリ勉」と呼ばれます。では、この人がリーダーになるためには何が足りないのでしょう?

というように、ひとつの要素が出てきたら「これですべての要素が出尽くしているか?その要素だけで完璧か?」と考えていくのです。そうやってひとつずつ要素を出していき、「これらがそろえばリーダーだと言える!」と確信できれば、すべての要素出しが終わったことになります。

この場合であれば、能力の次は「人間系のスキル」が挙げられることが多いでしょう。「前向きで明るい性格」「根性」「コミュニケーション能力」といったものです。

 

大事なことは分解する作業は”ちきりん”というフィルターを通して、1次情報がオリジナルの解釈(2次情報)に変換されるということだ。ここではこのフィルターの粗さや正しさはあまり重要ではない。そして自分のフィルターを通す作業こそが「自分のアタマで考える」ことだ。

誰しもが社会の中で生きているが私たちは気付かぬ内に色眼鏡で物事を捉えてしまいがち。いわゆる偏見や先入観から抜け出すことは難しい。なぜ?それがどうした?を意識しながら生きることで今まで見えてこなかった社会の動きが見えてくるようになるのかもしれない。

自分のアタマで考えよう

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