ぼくは無職のひきこもりだ。こうやって文章を書いたり、他にちょっとした作業をやっているが社会的に見ればニートに分類されるだろう。就職する気もない。でも、最近すぐ使えるお金が欲しくなってきた。だからバイトしたいと思ってる。
ぼくにはバイト先として狙っている「古本屋」がある。
ぼくが狙っている”古本屋”の特徴
- とても小さな店舗
- 立地は意外といい(ショッピングセンターの中)
- 全然流行ってない
- 意外とレアな本も売っている
- おばちゃん1人で切り盛りしている
- 買い取りも売りも”安い”
- 「バイト募集」の貼り紙はない
- 顧客は年齢層高め
- 常連さんでなんとかもっている(予想)
こんな感じだ。店舗の規模や雰囲気は古本屋というより古書店に近い。悪い意味で古臭く、”寂れたオーラ”全開のお店だ。
なぜこんなところでぼくはアルバイトしたいのか。簡単に説明する。
理由1. 絶対にひま。絶対に。
どう考えてもひまだ。店主のおばちゃんは常に座って本を読んでいるし、常連っぽいお客さんが来たらずっと立ち話をしている。もしここで店番できたら、お金を稼ぎながらスマホでブログを書ける。なんて効率のいいことか。
理由2. 売ってる本が好き
けっこうぼく好みの本が置いてある。そして安い。暇な時間にタダで読書ができる。ぼくが持っている本も買い取ってくれるかもしれない。
理由3. おばちゃんがいい人そう
ぼくは豆腐メンタルだ。感情をすぐ表に出すタイプの人間は苦手。この古本屋のおばちゃんはとっても優しそうで好印象。ここなら働けるかも!と思った。
理由4. 人に本をおすすめできる
ぼくは社会人経験がほとんどない。ここならカジュアルに”営業”を体験できる。しかも取り扱う商品はぼくの好きな”書籍”だ。
ぼくがこの古本屋で働きたい理由はこんな感じだ。なんてやらしい志望動機。
さて、昨日図書館に行くついでにこの古本屋に立ち寄ってみた。結論から言うと、バイトを断られた。その一部始終をお話しする。
まずしれ〜っとお店に入り、店の状況を観察した。お客さんは一人。店主と顔馴染みのようで立ち話をしている。とりあえず、おばちゃんの視界にギリギリ入るか入らないかの位置にポジション取りをし、なんの興味もない立川談志の本を立ち読みするフリをした。意外と面白かった。
5分ほど立ち読みのフリをしていると、会話しているお客さん(太めのおばちゃん)が手や体を動かしながら話す癖があることに気が付いた。なので次は太めのおばちゃんの背後の本棚の前に移動し、手作りアルバムの作り方の本を読んだ。1分たたないうちに、予想通り太めのおばちゃんはぼくにぶつかってきた。
どんっ
太めのおばちゃん:「あ、ごめんごめん」
ぼく:「大丈夫ですよ。気になさらずに。(にこっ)」
作戦1「太めのおばちゃんを利用して第一印象UP」作戦だ。 なんとも性格の悪いやり方。そしてそれからまた3分ほど立ち読みをした。店主と太めのおばちゃんの会話がやっと終わったので、ぼくは店主のおばちゃんに話しかけてみた。
ぼく:「こないだ置いてたコトラーの本は売れちゃいましたか?」
店主:「本棚にないかしら?ないなら安売りの棚に移動したか、売れちゃったかも」
ぼく:「あ、そうですか〜。ちょっと安売りのところ見てみます」
作戦2「この古本屋ちゃんとチェックしてますよアピール」作戦だ。一応ハッタリではない。安売りの棚に移動してまた数分立ち読みするフリをした。今度読んだのは昔の建築雑誌だ。他に気になる本があったのでそれを手に取りレジに向かった。
ぼく:「やっぱりなかったです。売れちゃったのかな?」
店主:「ああ、ごめんなさいね。」
ぼく:「いえいえ。これ下さい。」
店主:「はい100円。」
ぼく:「はーい。(お金を出す)」
店主:「はいよー」
ぼく:「ここってバイト募集してたりしないんですか?」
店主:「そんなお金ないです。」
作戦3「本を買って”お客さん”になることで断りづらい状況に誘導してからバイトの交渉をする」作戦はおばちゃんのたった一言「お金ない」で蹴散らされた。そうか。そりゃそうか。ぼくが馬鹿だった。確かにバイト代払えるほどこの店が儲かっているようには見えない。
実はぼくはまだここでのバイトを諦めていない。やっぱり店主のおばちゃんはいい人だったし、ちょっと店番もしてみたい。勝手にホームページでも作ってやろうかとちょっと考えている。当然お金はもらえないだろうが。次回に続く。
※追記(2017/09/19):ここの古本屋さんがブログのスポンサーになってくれました!