「院卒ニート」の現実が受け入れられない君へ

Modern Art Minimal YouTube Thumbnail

院卒ニート。
なかなかのパワーワードだ。

「ニート」とは、就学、就労、職業訓練いずれも受けていない若い層のことを言うらしい。世間のイメージは底辺、怠け者、働きたくない、世間を舐めているなどなど、マイナスなものばかり聞こえてくる。

一方の「院卒」は高学歴、アカデミック、知的、研究者、賢い、真面目、高収入などポジティブな印象を受ける人が多いのではなかろうか。

対極と言ってもいい程イメージがかけ離れた2つの言葉。これらが合体するとなんとも不思議な現象が起こる。

大学院まで行ったのに、就職もできず働いていないニート

なんとも嫌なニュアンス。

ただのニートではなく「過去は頑張っていたが、現在はダメ人間」という転落劇が「院卒」と「ニート」のフュージョンによりダメ人間感が見事に増幅される。

院卒ニートだったぼく

僕もその一人だった。

大学院を出てからしばらく、建築の設計事務所でアルバイトし、その後、自宅から一歩も出られない引きこもりになった。髪は切らずにボザボサ状態。部屋は散らかり放題。近隣の目を気にして昼は電気はなるべく消して生活する。友達からの連絡は未読スルー。やることもない僕の友達はYouTube。次第に風呂にもあまり入らなくなリ、身体が痒くなっていく。

廃人のような生活を送っていた当時の僕を、世間の人は自分の置かれた立場を理解できていない怠け者だと思うかもしれない。

だが、そんな底辺の状態にいたとしても当の本人は「院卒ニート」をなかなか受け入れられなかった

ほんの数年前まで一緒にいた周りの友達は、就職し毎日仕事をしている。休日は思う存分に羽を伸ばす。就職、結婚、昇給、昇進。しまいには家まで購う始末だ。
僕の知らないこと、なんなら全く関係ないことを経験していく。ホームアローンのように自分だけ飛行機に乗り損ねた悲しく切ないコメディー。

当時の僕は早く働かないといけないと焦っていた。

頭では自分の置かれている状況がヤバいとわかっている。でも周りの友達とどうしても比較してしまう。誰も知らない小さな企業に就職し安月給で働いても、ひもじくかっこ悪い気がして、昔みたいに対等に笑い合うことなんてできないような気がして、一歩前に踏み出すことができなかった。全くそんなことはないのに。

自分で勝手に作り上げた自分の理想像とアホみたいなプライドによってがんじがらめになっていく。

引きこもりになった院卒ニート

悪戯に時間だけが過ぎ、気付くと引きこもり生活が1年以上になっていた。知らぬ間に焦りが諦めに変わっていた

院卒ニートのコンプレックス、ストレス、不安、緊張、鬱憤。当時の僕は体の中に毒が溜まっていることに気が付いていなかった。絶望の中にいると、視野が狭くなっていく。自分の可能性を少しも信じられず、そのうち考えるのをやめてしまう。

引きこもりの僕は心は疲れていたが、1年以上の引きこもり生活でエネルギーだけは徐々に回復していた。現実に絶望していた僕はなにから行動を始めたらいいのかもわからなかった。

ブログを始めた

僕はブログを始めてみることにした。

ブログを書くことでニートや引きこもりを脱出できる気は全くしなかった。でもなにか新しいことを始めたかった。

最初の記事は、自分の気持ちに嘘をつかず、情けない自分とほんの少しの希望を込めてゆっくり言葉を紡いでいった。たった1000文字ちょっとでも見栄っ張りの自分の気持ちに嘘をつかずに文章を書くのはなかなか骨が折れたのを覚えている。結局書き上げるのに2、3日掛かった。

20160209184529

27歳ひきこもりはまだ人生詰んでない

書くと不思議なもので風船の中の空気が徐々に抜けていくように、自分の不安、溜まっていたこと、毒素が抜けていく。誰かがコメントしてくれたり、ツイートしてくれたり、褒めてくたり、共感されたりした。ブログを通じて知り合いができ、その後実際にお会いした人も沢山いる。

少しだけ外の世界(社会)と繋がった気がした。
もっと社会と繋がりたい。そう思って僕は院卒だけれど飲食店のアルバイトを始めた。

引きこもりニートを脱出した現在

今、僕は個人事業主として仕事をしている。ライターや編集業が中心で出版社や大学と定期的に取引している。大学時代の友達とも今では酒が飲める。

僕が就職を選ばなかった理由はとてもとてもしょうもない。
就職しても結局、周りとと比べてしまうだろう自分が嫌だったからだ。

一生、院卒ニートであった時期を否定して生き続けることが嫌だった。
だから一人でやってみることを選んだ。正解か不正解はわからないけれど、間違ってはいなかったと思ってる。少なくとも院卒ニートの期間があったからこそ、今ぼくは個人事業主として仕事ができている

僕にとって院卒ニートであることを受け入れることは、院卒ニートを肯定することだったのかもしれない。

院卒ニート脱出の処方箋

当時の僕と同じように、自分で自分を縛りつけ行動できない人に向けて少しだけ書く。

一度立ち止まってしまうと、また動き出すのは難しい。再び動き出すためにはたくさんのエネルギーが必要で、しかもエネルギーを費やしたからといって物事がうまくいく保証はない。

でも、だからといって今を受け入れてしまうと、本当に終わる。
だから、ちょっと助走をつけるのがいいと思う。

やり方はそんなに難しくない。
普段のストレスや不安を無理やりストップさせ距離を置く。

小さな行動に夢中になる

何かに夢中になっているとき、人は全てのことを忘れ、集中する。
その体験こそ体から毒素を抜き、自分をリセットするために効果的だ。

夢中になれることがない?
全く問題ない。

なんでもいいから、ノートやポストイットにやってみたかったことを書き出してみる。
趣味、スキル、遊び、資格、仕事、なんでもいい。

当時の僕なら
* 将棋
* ブログ
* 英語
* 旅行
と書いていたと思う。

あとは簡単。その中の1つをピックアップして3日間、本気でやってみる。

ポイントは3日間で結果を出すことにフォーカスすること。結果を求めるほど脳細胞が活性化され、作業に没頭でき、夢中になる。僕の場合はブログで「3日間で3人以上の人に反応をもらう」という目標を決めた。

あとはその目標を達成するために作戦を立て、実行する。
ブログを作り記事を書いてアップする。Twitterでブログ記事をツイートする。それだけでは読まれないから、ブログを始めたてた人をフォローしたり、ツイートに絡んでみる。
こんな風に結果を出すことを考えれば、行動は連鎖していく。たった3日間だけだ。その気になれば誰でもできる。

夢中は見つけるものではない。何かに本気で取り組んでいたら次第にその状態になっている状態だ。
行動してみてはじめて夢中になり、ほかの全てを忘れさせてくれる。

3日間何か本気で取り組めば、心がすっきりしているはずだ。

不安やストレスから距離を取り、体の毒素が抜けたら少しの余裕が生まれる。

あとはそれを続けてみてもいいし、別のことにまた3日間チャレンジするのもいい。
毒素が抜けたら就職先を探したり、アルバイトを始めてみるとか次のステップに進んでもいい。

院卒ニートである事にまだ変わりはない。けれど次の一歩が格段に踏み出しやすくなる。そこから、自分の将来を考えればいい。この方法は僕が実際に院卒ニートになって、社会復帰するのに効果的だった方法だ。

おわりに

あなたも頭の中ではもうすでにやるべきことはわかっていると思う。

大切なことは、我慢することでもなければ、安定を求めることでもないし、やりたくないことをやることではない。
まず、いち早く、今の状況とはおさらばして行動すること。

現状から逃げず、もがいてみよう。選択肢は院卒ニートにとっても無限大。本当に。

なにをするにも一歩目が最もしんどい。
でもそれをやらないとなにも始まらない。

ニートを脱出したい人には次の記事をぜひ読んで欲しいと思う。
空白期間があり、既卒就職でも就職できる方法をまとめた。

  • 既卒の就職活動のための5つの対策-ぼくが既卒で内定をもらうまで-
  • 【面接】引きこもりニートは空白期間をどう説明したらいいか
  • またブログも本気で取り組めば十分収益になる。時間はかかるけれど一人で食っていくくらいの収益を出すことは現実的な可能性がある。

    引きこもりニートがブログで稼ぐ方法

    LINEで送る
    Pocket