大人になってから引きこもりを経験した僕。自分がなぜ引きこもりになったのか、何度も考えたことがある。
ネットで引きこもりになる原因について調べていると、「親」というキーワードとセットでよく語られることに気が付いた。僕自身、責任の所在を「親」に求めたことはなかったが、親と引きこもりの間にどのような因果関係があるのか、第三者的に興味がある。
今日は「こどもが引きこもりになる原因は親にあるのか?」というテーマで考えを述べていく。
引きこもりの親の特徴
まず引きこもりの親の特徴にはどのようなものがあるのか。ある程度信頼のおけそうなウェブメディアを幾つか調べた。一般的に引きこもりの親には大きく以下のような特徴がありそうだ。
- 夫婦間のコミュニケーションが希薄
- こどもとの会話が少ない
- 過保護・過干渉
- 親の期待・価値観の強要
多くの記事で家庭内のコミュニケーションに何らかの問題があると指摘している。
簡単にまとめると、①家族のコミュニケーションが少ない ②こどもに対する親の過度な期待や保護 の2つが引きこもりに繋がる原因になりやすい。
親の価値観を強要する危険性
特に気付かぬうちにあれやこれやと親の意見を押し付けてしまうことには注意すべきだ。お受験ママが無理やり子供を机の前に座らせるようなことは、それが子供のことを思った行動だとしても気をつけた方がいい。
親の意見の押し付けが何が問題なのか、それは親がこどもに求めるハードルを明確に提示してしまうという点だ。
テストにしたって、受験にしたって、就職にしたって、結婚にしたって、正解は本来ないはず。それを誰か(親)が誰か(子供)に答えを強要し、期待すること自体が間違っている。
こどもが引きこもりになる原因は「親」にあるのか
引きこもりになる原因と親には少なからず因果関係がある。
家庭はこどもが他人と関係を構築する前の練習台。家庭のコミュニケーションでつまずいていては社会に適応することは難しい。親との関係がうまくいかなければ当然、他人や社会への不信感につながり他人が怖くなることは想像できる。
親がこどもに対して過度な期待を寄せることで、親の期待値と自分の現在地を照らし合わせて、期待に答えられていない自分に失望する。そして次第に自信がないことに罪を感じ始める。
処方箋
1つアドバイスするならば、親は子供に徹底して子どもに「他人」として振る舞うべきだと思う。
もし間違っていることをしようとしていればアドバイスや助言はするが、あくまで最後の決断は相手に委ねる。他人だけれど相手のことを思って言動をする。こうすることで過干渉や自身の価値観を強要しすぎることを防ぐことができる。仲の良い友人のように子供とも接するのがいいだろう。
引きこもり自身の責任
引きこもりが引きこもりであることを、その責任の所在を親に求めるのはお門違いだ。
これは10代であろうが20代であろうが30代であろうが同じ。
どんな家庭環境であろうが、どんな毒親を持とうがあなたの現状は変わらない。誰かに責任を押し付けたところで何の意味もないことをまず知ることが大切だ。
大事なことは自分を親と切り離した1つの存在として認識すること(=自立すること)。
自分の境遇を理解して、受け入れ、もしそれが納得できないものならそれに抗って対処しようとするが大人だ。成人してからも自分の境遇を、親に責任を押し付けるのは間違っている。「親」によって自分は不幸だ、引きこもりになったと心の底から思っているのであれば、それは愚かで意味のないことだ。