ぼくが引きこもりを脱出できた理由-1年の引きこもり生活と些細なきっかけ-

chance一度社会をドロップアウトしたひきこもりにとって、再び外に出られるようになることは難しいことだ。一度引きこもり生活を経験してしまうと、外の世界が怖くなってしまう。

社会の流れに乗ることができず、大人になってから引きこもりになった僕もそうだった。家の中でただ自分を責め続けるだけの時間を過ごした。

外に出たくないわけではない。でも社会の中に自分が存在していても何も意味がないように思えてしかたなかった。引きこもり期間が長くなればなるほど、殻に閉じこもり、外が遠くなってしまう。

今日は、引きこもりだった僕がどうやって引きこもり生活からから、一歩踏み出し、外に出られるようになったのかお話ししたいと思う。ぼくにとって些細なことが外出するきっかけとなった。

当時のぼく

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引きこもり状態になっていた26歳の僕は、近所の人にはもちろん、家族にさえなるべく顔を合わせないようにひっそりと自分の部屋に閉じこもっていた。部屋の灯りはつけないし、ご飯もなるべく食べない。廊下を歩くときはゆっくりすり足で歩く。丸1日声を発さない日もあった。

ボサボサになった髪の毛で日中はずっと寝ている。深夜、家族のみんなが寝静まってようやく目を覚まし、ただパソコンの画面を眺めている。そんな1日を1年以上続けていた。

当時の僕はどんな状態だったのか。将来に絶望して、自分の存在価値がわからず、孤独を感じていた。自分を責めることに何十時間も費やした。頭の中で自分を何度も罰する毎日は心も傷つけたし、体力も奪って行った。今のままではダメ。そんなことは分かっていたけど、なにもできずただ焦っていた。

同世代のみんなは社会に揉まれ一生懸命働き、お金を稼いで家庭を築き、思いきり休日を楽しんでいる。僕は家の中で息を殺してただこの世に存在しているだけ。そんなことを考えると居ても立ってもいられなかった。早くみんなのように生活したい。でもなにもできなかった。

そんな焦るだけの生活は長くは続かない。気づかぬ間に神経が衰弱してしまっていて、頭がパンパンになり元気もなくなってやがて思考することもできなくなった。布団の上で社会、そして自分の未来を諦めたのだ。

そんなとき…唯一していたこと

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考えることをやめた僕の生活は空っぽだった。午後(ときには夕方)に起きて、パソコンを眺める。当時よく鑑賞していたのは、お笑いの動画やYoutuberの動画、ゲーム実況、そして将棋の実況だった。将棋はこどもの頃にハマった時期があってルールや簡単な囲い方、戦法は知っていた。途方にある時間を潰すために、毎日の大盤解説を見るようになった。「ここで金の頭を叩いて、、桂馬を控えて、、」

最初は解説者がなにを言っているのかわからなかったけれど、毎日動画を見ていると次第と将棋の手筋や読み筋、そして将棋独特の言い回しに慣れていった。どの解説者もみんな柔らかな声と口調で当時の僕にはとても優しい声に聞こえた。

動画を見ているうちにぼくも将棋が指したくなった。将棋対戦アプリをダウンロードして、1日に3局ずつ将棋を指した。それが終わったら棋譜(対局を記録したもの)を見ながら自分の指し手を見直す。指せば指すほど将棋というゲームの奥深さに気付き、のめり込んでいった。

外出

いつものようにYoutubeを見ていてふとNHKの将棋番組が目についた。将棋を指すアイドルが将棋道場を訪問し紹介する内容だった。

それを見て、面と向かって誰かと将棋が指してみたい。ただ単純にそう思った。久々に外出してみることにした。軽くて自然な気持ちだった。

将棋道場に入ることは結構勇気がいったことを覚えている。緊張して、建物の入り口に入れず、一度前を通り過ぎた。初めて行った道場は2階に受付があった。どうすればいいのかわからず、職員さんに「初めてなんですけれど…」というと対戦表みたいなものを渡され、少し待つように言われた。しばらくして、スピーカーから自分の名前が呼ばれる。

その日は3局だけ将棋を指して帰った。結果は覚えていないけれど、勝ったり負けたりだった気がする。道場での将棋では感想戦という、終わったあとに棋譜を再現してお互いに一局を振り返る反省会のようなものをした。普段、ネットで将棋を指すときにはやらないことだ。怖そうなおじさんもいれば、こどもも居て、それぞれが自分なりの将棋への向き合って楽しんでいた。

「人と指すのは楽しいな。」

そう思った。

そして今…

その後、将棋道場での体験が忘れられず、月に1~2度ほど道場に通うようになった。今思えば、引きこもり時代にパンパンになった頭が、焦りをやめることで少し元気に戻ってきた頃だったんだと思う。そして僕の場合、外の世界に戻れるようになったきっかけが将棋だったのだ。

今でも将棋には感謝しているし、ときどき指す。将棋道場にはメッキリ行かなくなってしまったけれど、今将棋道場のことを思い出しながら文章を書いていたら久しぶりにまた行きたくなって来た。

久々に将棋道場に遊びに行ってみようかと思う。

おわり。

外に出るための手引き

  1. 生活のなかの些細な行動(ぼくの場合は将棋)に着目する
  2. あなたの行動(将棋)と外の世界接点(将棋道場)を見つける
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